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2004年06月05日

株式会社の増資方法

注(追記);この記事は平成18年5月施行の会社法には内容が対応していない旨、ご了承下さい。
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増資(募集株式発行)に関する当事務所業務HP


●株式会社の増資の方法についてまとめてみました。

●確認株式会社を設立し「そろそろ増資を」という方も、ご参考にして頂ければ幸いです。

●増資の方法には、以下のように様々な方法があります。
また、これらの方法を組み合わせて増資を行う場合もあります。
増資のための財産を用意できる人や財産の内容により、選択すべき方法が変わってきます。

以下、1〜3は、新たに現金を用意する必要のない増資の方法で、
4〜6は、出資者に新株の引受額分だけの出資金を払い込んでもらう増資の方法(外部からの資金調達;普通の増資の方法)です。


【1;配当可能利益の資本組入による増資】

・いわゆる「利益の資本組入れ」です。
・増資の財源は、会社の利益金(配当可能利益)です。
・会社の利益の処分に関することですので、必ず、決算書類の承認を行う定時株主総会で決議する必要があります。
(臨時株主総会では決議することができません。)

<メリット>
・出資の払込みをしないで増資ができる。
・新株が発行されない。従って、持株比率が変動しない。
・手続きが簡単。定時株主総会の普通決議(及び増資の登記)だけである。
・勘定科目を当期未処分利益から、資本金に振り替えるだけで資本金が増加する。従って、金融機関での増資金の払込み/保管手続をとらなくてもよい。(確認株式会社の場合、通帳のコピーでもよいのですが・・・)
・株主優遇政策をとることができる。(配当可能利益を資本に組入れた後に、株式の分割をして新株を発行すれば、この新株を無償で株主に与えることができる。)

<デメリット>
・外部からの資金調達を目的とする増資には使えない。
・会社に配当可能利益が存在しないとできない。
・定時株主総会でしか決議ができない。従って、営業年度が1年の
会社では、年1回しかできない。


【2;法定準備金の資本組入による増資】

・法定準備金とは、商法で決算で積み立てを義務付けられた準備金のことで、資本が欠損になったときの穴埋めと、資本金に組入れて増資をするとき以外は使用(取り崩し)することができません。
・この増資は、すでに法定準備金として積み立てられているものを資本に組入れるだけです。配当可能利益の資本組入れのように、株主に配当する利益が資本金となるわけではないので、株主への分配金は減りません。
・従って、株主総会ではなく取締役会で決議することが可能です。

<メリット>
・出資の払込みをしないで増資ができる。
・新株が発行されない。従って、持株比率が変動しない。
・手続きが簡単。取締役会の決議(及び増資の登記)だけである。
・勘定科目を法定準備金から、資本金に振り替えるだけで資本金が
増加する。従って、金融機関での増資金の払込み/保管手続を
とらなくてもよい。
・株主優遇政策をとることができる。(配当可能利益を資本に組入れた後に、株式の分割をして新株を発行すれば、この新株を無償で株主に与えることができる。)

<デメリット>
・外部からの資金調達を目的とする増資には使えない。
・会社に法定準備金が存在しないとできない。


【3;現物出資による増資】

・出資者から会社に権利を移転できる財産で、貸借対照表の資産の部に計上できるものであれば、その種類は問いません。
・原則として、裁判所の選任した検査役の調査、もしくは税理士等による価格証明が必要です。(ただし、これが不要となる場合があります。例えば、確認株式会社で現物出資の価格が200万円以下なら、検査役の調査は不要です。)

・よくあるのは、社長が自分のお金を会社に貸し付けている場合に、この貸付金債権を現物出資して会社の資本金を引き上げる方法です。(この方法によれば、増資のために現金を用意する必要がありません。)
・ただし、この貸付金債権も、上記と同じく原則として検査役の調査等が必要です。

<メリット>
・現金の払込みをしないで増資ができる。
・赤字会社でも、現物出資を受ければ増資ができる。
・幅広い財産を現物出資できる。

<デメリット>
・新株を発行しなければまらない。(ただし、株券不所持制度を採れば、株券を発行しなくてもよい。)
・出資財産の名義変更手続が必要となる場合がある。
・現物出資者以外に株主がいる場合は、第三者割当となる。
 (持株比率が変わる。)
・税法上、課税原因とされるケースについては、事前に充分検討する必要がある。
・一定の範囲を超える現物出資は、検査役の調査が必要となり、
日数や費用を要する。


【4;株主割当による新株発行】

・新株の割当日において、株主名簿に記載されている株主に新株を
割り当てる方法です。

<メリット>
・所有株式数の比率に応じて新株を割り当てるから、持株比率が変動しない。
・時価より低い価格で発行できるので、株主優遇となる。
・新株の引受人が確定しやすいので、増資が計画通り遂行できる。

<デメリット>
・手続が複雑で長期間を要する。(官報等での公告、割当通知の発送など、法律上の制約が多い。)
・費用がかかる。(広告や割当通知の発送、新株の発行等に費用がかかる。)
・端株が生じる場合、事務が煩雑になる。


【5;第三者割当による増資】

・取締役会で新株の引受人を特定の者に指定する方法です。
(会社の役員や取引先等、縁故関係にある人に出資してもらう際の方法です。)
・なお、「第三者」は株主であっても構いません。

<メリット>
・手続が比較的簡単で短期間にできる。
・取引先等との業務提携が強化できる。
・株主に資金が不足していても、増資ができる。
・引受人が確定しているので、資金調達が確実にできる。

<デメリット>
・持株比率が変動する。
・株式の譲渡制限を設けている会社にあっては、株主総会の特別決議が必要。
・新株を発行する費用がかかる。


【6;公募による増資】

・新株の引受人を特定しないで、広く一般から新株引受人を募集する方法です。

<メリット>
・大量の資金の調達が可能である。
・手続が比較的簡単で短期間にできる。
・株主に資金が不足していても、増資ができる。

<デメリット>
・持株比率が変動する。株主保護に欠ける。
・株式の譲渡制限を設けている会社にあっては、株主総会の特別決議が必要。
・新株を発行する費用がかかる。

〜〜〜〜〜〜〜〜

●さて・・・どの増資方法が良いかは、ケースバイケースですが。
よくある状況を想定し、お勧めする増資方法を提示してみます。

【ケース】
・確認株式会社を設立して3年経過したので、そろそろ通常の株式会社にしたい。。
・なお、利益は会社にはあまり留保していない。(税金対策上、会社の利益は給料等の支払いにまわしている。)
・従って、外部から資金注入する形で増資したい。

【ソリューション】
・外部からの資金調達なので、上記4〜6のうちどれかの増資方法となる。
・ただし、広く一般から新株引受人を募集するつもりはないので、6の増資方法は論外。
・4の増資方法は・・・費用と手間がかかり面倒。
・5の増資方法なら・・・手続が比較的簡単で短期間にできる。また、「第三者割当増資」と名付けられているが、「第三者」は既存の株主であっても構わない。(事実上、既存の株主のみで増資を行う場合でも、この方法が使える。)

→結局、5の増資方法を選ぶのが、一番現実的となります。

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posted by 岡田旭 at 07:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【会社運営手続き】
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